難病がわかったときに患者団体に入るメリット・デメリット

遠位型ミオパチー

こんにちは。

先日患者会の交流会に参加してきたばかりのなんぺ(@nanpechan)です。

なんぺ
なんぺ

わたしは遠位型ミオパチーという筋肉がなくなっていく病気です。

おいしい食事をとりながら、ワイワイとおしゃべりを楽しんできました♪

実はわたし、10年以上2つの患者団体に入会しています。

そんなわたしが感じる、難病がわかったときに患者団体に入るメリットとデメリットを紹介します。

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患者団体に入るメリット

1.なかなか出会えない同病者と知り合える

超希少疾病である遠位型ミオパチー。

生きているうちに同じ病気の人に会うことはないかもしれませんと言われた方もいるくらい、患者数が少ない病気です。

でもわたしには患者団体があったから、1人孤独にはなりませんでした。

わたしは決して、病気になって良かったとは言えません。

ただひとつだけ良かったことは、健康なままであれば出会わなかったであろう仲間が全国にできたこと。

テレビで地名を聞くたびに、「◯◯さんのところだな、お元気かな」と思い浮かべる人がいるなんて。何だか不思議な感覚です。

なんぺ
なんぺ

ひとりじゃないよ。

2.自分の病気についてくわしく知れる

患者団体では、

  • その病気がどんなものなのか
  • 治療法の研究状況
  • リハビリについて

などいろいろなテーマで講演会やシンポジウムがあります。大抵、質疑応答の時間もあるので、自分が疑問に思っていることを直接専門医や研究者に聞くチャンスです。

なんぺ
なんぺ

患者数が少ない病気だと、主治医があまり病気にくわしくない場合も。

3.患者が団結して自ら動きだせる

わたしが患うGNEミオパチー(縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー)は 10年前、製薬への可能性が見えてきました。

そのとき、患者会が設立され、患者自らが街頭署名を行いました。

要望内容
  • 遠位型ミオパチーの研究費増額と研究促進
  • 希少疾病の新薬開発を進める制度づくり
  • 遠位型ミオパチーの難病指定と特定疾患の認定
なんぺ
なんぺ

たくさんの会員がテレビや新聞、雑誌、ラジオなどに出て、認知活動したのが懐かしいです。

その結果、遠位型ミオパチーは特定疾患に認められました。オーファンドラックの指定制度など希少疾病の製薬を後押しする制度もできています。

なんぺ
なんぺ

いまは早く治療薬ができるのを祈るばかりです。

ひとりひとりは小さくても、団結して声をあげれば何か変えられることもある。難病の患者だからって、誰かにまかせてただ待つだけはつらいですよね。

患者側からできることを、患者だからこそできることがあるはず。

また自分たちにできることが見つかれば、いつでも一緒に動きだせる仲間がいる。こんなに心強いことはありません。

4.不安や困りごとの相談ができる

難病や希少疾病で困るのが、身近に相談相手がいないこと。

病気の進行での不安や悩みを理解できる人に聞いてほしい、できなくなったことをどうカバーすればいいのか、どんな福祉制度があって利用できるのか…

患者団体に入れば、同じ病気だからこそわかること、教え合えることがあります。

なんぺ
なんぺ

具体的な話ができるのが助かります!

交流会やイベントの前後はもちろん、グループ分けをしておしゃべりする時間をとることもあります。直接参加ができないときは、患者会HPの掲示板やメール、Skypeで患者同士でつながれますよ。

5.患者仲間に会うと元気をもらえる

いろいろと書きましたが、わたしにとっての1番のメリットはこれ!

普段の生活でどんなにしんどかったり悩んでいても、仲間に会うと自然と笑顔になれるんです。

特別、悩みやグチを聞いてもらったわけじゃなくてもです。

年齢も、性別も、住むところも違うけれど、もうひとりの自分に会っているような感じなのかなと思います。

なんぺ
なんぺ

みんなそれぞれの場所で頑張っているんだな。わたしもまた明日から頑張ろう!と気持ちを新たにできます。

患者団体に入るデメリット

1.将来の自分の姿が見えてしまう

わたしが初めて筋疾患とだと診断された(当時は遠位型ミオパチーではなくSMAと言われた)のは高校2年の冬。

ある受診日に「何か患者会などはありませんか?」と尋ねた母に、

主治医
主治医

ほかの進行した患者さんを見ることで、ショックを受ける方もいます。だから無理に入った方が良いとは言えません。

とおっしゃいました。(しかも当時、病気単独の患者団体もなかった)

筋疾患とわかってさほど時間が経っておらず、まだ歩けている状態。その上、まだ高校生と若かったため、このような対応だったのかなと思います。

2.自分からでなく周りの人に入会を勧められがち

わたしは現在2つの患者団体に入っています。

初めて患者団体に参加したのは大学4年生のときでした。

このとき患者団体を見つけてくれたのは叔母。新聞で偶然記事を読んだそうです。

そして、両親と3人でその団体の総会に参加しました。

だけどわたしは内心、

なんぺ
なんぺ

どんな雰囲気かわからないし、参加するの怖いなぁ…でも行きたくないって言ったら、「あんたのためなのに!」と怒られるだろうな…

と思っていました。

つまり、わたしの場合、完全に母主体での患者団体への参加でした。

※もちろんいまは自分の意思で参加しています。もうひとつの団体へは自ら入会しています。

ある方からは、

会員
会員

わたしも病気の症状が軽いころは入会しようと思わなかったな。

と伺いました。

「あなたは病気です」と言われても、すぐさま気持ちを切り替えられる人は多くないでしょう。

何せ治療法が存在しない病気です。未来はモヤがかかったまま…

最初のころは自分の体の状態に戸惑いながらも、ただ学校や仕事に通うことに精一杯な状況です。心に余裕が持てません。

嫌々連れて行かれても、患者団体に対する印象も悪いまま。

いつか自分の病気のことが知りたい、同じ病気の人に会って話してみたい、と思える日が来ます。そのときまで待ってもらえたら嬉しいです。

患者家族
患者家族

そうは言っても、周りで見守っているほうは心配でヒヤヒヤ。情報も知っておきたい!

なんぺ
なんぺ

こんなときは、気にかけてくれている感謝と、いま参加するのはつらいことを伝えましょう。そして自分の代わりに参加してもらうのもあり。患者本人でなくても入会できると思うので、各団体に問い合わせてみてくださいね。

遠位型ミオパチーが入れる患者団体

PADM 遠位型ミオパチー患者会

NPO法人 PADM(パダム)遠位型ミオパチー患者会は東京に事務局がある患者会です。会員は全国におり、6つの地区にそれぞれリーダー・サブリーダーがいます。

恒例行事
  • 春の総会&講演会
  • 年1〜2回の地区別交流会

なんか行事が少ない?と思うかもしれません。

過去には、医師や製薬会社の方を招いてのシンポジウム、福祉用品フェアなど、不定期な理事会主催のイベントもありました。

なんぺ
なんぺ

いま治療薬の開発は「止まってはいないけれど、患者は見守るしかない状態」です。だからシンポジウムや講演会は少なめ。でも、海外の研究者や患者との連携や、何か進展があるとイベントも増えます。

また、地区別交流会では、

  • 会議室でおしゃべり会
  • 飲食店で食事会
  • BBQ
  • 福祉用品を試す会

などなど、会員が楽しく交流できるような集まりがあります。

\ホームページはこちら/

ミオパチーの会オリーブ

ミオパチー(筋疾患)の会 オリーブは主に中国・四国地方を中心にした筋疾患患者の自助会です。事務局の広島のほか、山口支部もあります。もちろんもっと遠方から参加する方もいます。

わたしと同じ遠位型ミオパチーだけでなく、筋ジストロフィーやほかのミオパチー、ALSなどさまざまな筋疾患の会員がいます。

恒例行事
  • 夏の医師への医療相談会&総会&医療講演会
  • 12月の望年会 or 1月の新年会
  • 3月のおしゃべり茶話会
なんぺ
なんぺ

ほかにもカープ観戦や大和ミュージアムへなど、レクリエーションを企画してくださることも!

\ホームページはこちら/

まとめ:自分の意思で入るのがベスト

メリットとデメリットは、自分の体や心の状態で受け取り方が変わります。

明るく前向きに見える同病者に出会えることはメリットでもあり、「あの人は前向きなのに、どうして自分はそう思えないのだろう…」とより自分を追い詰めてしまう可能性もあります。

もしも少しでも興味があるなら、一度試しに参加してみると良いでしょう。

でも、誰かに勧められて参加したくないと思うならば、いまはその時ではありません。

自分の心が参加したいと思うとき、それが1番ベストなタイミングです。

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