全介助が必要な重度身体障害者にとって、お風呂に入る方法といえばヘルパーさんに身体介護の枠でお願いするのが一般的かもしれません。
でも、障害福祉サービスの居宅介護以外に訪問入浴を利用することができるんです。
訪問入浴とは?
訪問入浴とは、自宅に組み立て式のバスタブを持ってきてくれて室内で入浴できるサービスです。
オペレーター、看護師、ヘルパーの3人1組で訪問してくれます。
私がお願いしている事業所のオペレーターはほぼ男性です。
3人いることで移乗も比較的安全にできますし、体調の変化などがあっても看護師さんがいるため心強いです。
また、利用できるのは基本的に週に1度。ですが、普段自宅のお風呂で湯船に浸かれない人にとって、全身浴ができるのはとても嬉しいポイントです。
ずっと車椅子で過ごしている私は、体が芯から温まり血流の改善を感じます。
訪問入浴を利用するには?
訪問入浴を利用をするには「重度身体障害者入浴サービス費受給者証」を交付してもらう必要があります。
また、訪問入浴を利用できる対象者は以下の通り。
年齢が原則18歳以上で肢体不自由1・2級の方で施設への移送が困難な方
広島市 重度身体障害者入浴サービス
利用を検討している方は、相談支援専門員に話してみましょう。
主治医の同意書が必要だったか失念しました。大事なところなのにすみません。
訪問入浴の流れ
- STEP1バイタルチェック
まずは看護師さんが体温・血圧・酸素濃度・脈拍のチェックをします。
- STEP2バスタブ準備
入浴ができる体調ならば防水シートを敷き、バスタブの組み立てなど準備を進めます。
なんぺバイタルチェックと準備はほぼ同時進行です。
- STEP3着替え
準備の様子を見ながら洋服を脱がしてもらいます。体の前面にバスタオルをかけて裸が見えないようにしてくれます。
なんぺ両端に洗濯バサミをつけたゴムを使ってタオルをエプロンのようにかけてくれます。
- STEP4入浴
バスタブの上の担架に寝た状態で、洗髪→洗顔→湯船に入る→洗体をしていきます。
- STEP5着替え&ドライヤー
お風呂から上がり着替えや保湿、ドライヤーをしてくれます。
- STEP6片付けなんぺ
着替えと同時進行で片付けていきます。
- STEP7バイタルチェック
看護師さんが体温・血圧・酸素濃度・脈拍のチェックをします。
訪問入浴時に自分で用意するもの
たったこれだけ。
事業所によって違いはありますが、シャンプー、ボディーソープ、洗顔フォーム、バスタオル、フェイスタオル、ドライヤー、入浴剤など入浴に必要なものは持ってきてくれます。
ですが、自分のものが使いたい場合は準備しておきましょう。
私は肌が弱いので、シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・洗顔フォームは自分で用意しています。
訪問入浴の入浴用機材
バスタブの設置方法
バスタブは2つに分割でき、室内に運んでから組み立てます。つなぎ目から水が漏れることはほぼありませんが、床には防水シートを敷いてくれるため安心です。
また、水圧は弱めなもののシャワーもあります。
初めて見たときは驚きました!
バスタブにお湯を張っていきます。
私の場合は、自宅のバスタブに一旦お湯を溜め、訪問入浴用のバスタブにポンプで汲み上げていきます。
水道の蛇口の形によっては、蛇口から直接ホースをつなぐことも可能です。
お湯が溜まったらバスタブの上に担架を置きます。
こちらは枕やタオルをセットした様子です。この上に寝転がった状態で入浴します。
肌が見えないように体の上にバスタオルを掛けたまま洗ってくれます。
この配慮があるから、オペレーターさんが男性でも抵抗感が減りました!
シャンプーと洗顔が終わると担架の張りを緩めてお湯の中に浸かっていきます。
レバーを回すと担架の張りを変えられる仕組みです。
体はお湯の中で洗います。このお湯は汲み上げと同時にもう1つのポンプで排水が行われ、常に新しいお湯が入ってきている状態です。
源泉掛け流しの温泉みたいな感じ?温泉水ではないけど。
最終的にシャワーで体をすすいでから入浴を終えるので、ボディーソープの泡などが体に残ることはありません。
体重測定
私が利用している訪問入浴では、月に1度体重測定ができます。
体重を計りたくなければ測定はなしにしてくれます。
いつも訪問入浴で使っているバスタブの足の部分に装置を設置します。そして担架に乗ると体重が計れる仕組みです。
1人で立てなくなると簡単に体重を測るのは難しいので、定期的に自分の体重を確認できるのは健康管理の面でも助かりますね。
まとめ:訪問入浴で安全に全身浴を
訪問入浴は介護保険だけでなく、重度身体障害者にも利用できるサービスです。
普段はシャワー浴だけの方も、ワイワイおしゃべりを楽しみながら安全にゆっくり湯船に浸かることができます。
入浴方法のひとつとして訪問入浴も検討してみてくださいね。
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